運送業で耳にする293時間とは?トラックドライバーの労働時間を解説
2022.05.17
トラックドライバーの労働環境のイメージは、「残業時間が多い」、「休憩時間が少ない」などではないでしょうか。
実際、トラックドライバーには残業時間の上限はありませんが、どれだけでも労働させていいわけではありません。
運送業独自の労働基準があり、遵守する必要があります。
今回はトラックドライバーの労働時間に関するルールを解説していきます。
運送業界のトラックドライバーの拘束時間
運送業界ではトラックドライバーのみ該当しますが、時間外労働時間の上限がありません。
しかし長時間労働防止のため、代わりに拘束時間の上限が設けられています。
トラックドライバーの拘束時間や休憩・休憩時間を解説していきます。
拘束時間
出典:国土交通省 トラックドライバーの労働時間等のルールの概要より一部引用
トラックドライバーは業務形態が特殊なこともあり、拘束時間で算出されています。
また拘束時間は労働時間と異なり、休憩時間も含まれます。
さらに荷待ち時間などの待機時間は労働時間に含まれるので注意が必要です。
休憩時間の定義は「仕事から解放されている」ことが原則になるので、車両から離れることが困難な荷待ちは休憩時間に含まれません。
各期間ごとに拘束時間を解説していきます。
1日から1週間の拘束時間
トラックドライバーの1日における拘束時間は原則13時間となっています。
延長する場合においても最大16時間と決められており、1週間における15時間を超える回数は2回までと定められています。
更にトラックドライバーには運転時間の上限も定められており、2日で最大9時間、1日の連続運転時間は最大4時間となっています。
1か月の拘束時間
トラックドライバー1ヵ月の拘束時間も決められており、原則として293時間が限度となっています。
ただし労働者と労使協定を締結した場合に限り、1年のうちで最大6か月までは拘束時間を月あたり320時間まで延長可能です。
1年の拘束時間
ただし月320時間の拘束時間は繁忙期と閑散期の特例に過ぎず、いかなる場合でも1年間の拘束時間は3516時間を超えることができません。
また気を付けたいのが長時間労働による過労死ラインです。
1か月100時間を超える時間外労働、また2〜6ヵ月間にわたって約80時間の時間外労働が続くと、脳卒中や心筋梗塞などの疾患やうつなどの精神疾患のリスクが高まります。
休憩時間
長時間運転するトラックドライバーは休憩時間も重要です。
運転開始から4時間経過するまでに、30分以上の休憩を確保する必要があります。
ただし、1度に30分以上の休憩が取れない場合は10分以上の休憩を分割して所得することで対応します。
休息時間
休息時間においては原則1日8時間以上を継続する必要があり、運転者は仕事から完全に開放され自由に使える時間を指します。
業務上、連続して8時間以上の休息をとることが困難な場合は、特例として分割休息を用いることが可能です。
分割休息とは以下の項目すべてに該当する必要があります。
- 一定期間(原則2~4週間程)全勤務回数の2分の1の回を限度
- 拘束時間の経過後(拘束時間の途中も可)に分割して休息を与えることができる
- 1回当たり継続4時間以上、合計10時間以上
運送業界が抱える2024年問題
ただし前述の労働時間は2024年4月より大きく変わります。
働き方改革で運送業界に設けられていた猶予期間が、2024年3月で終わってしまうからです。
2024年4月からは年間の時間外労働時間が最大960時間まで制限されます。
運送業の2024年問題は別記事で案内しています。詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
今回はトラックドライバーの労働時間の解説をしました。
日本の物流を支える運送業とトラックドライバーは他業種と比べ、過酷な労働環境であることがおわかりいただけたことでしょう。
さらに2024年から施行される働き方改革により、対応が急がれます。
しかし、大事なのはトラックドライバーを支える環境づくりといえます。
ルールを守ったうえで少しでも拘束時間を削減し、ドライバーの働きやすい職場にしていきましょう。
------------------------------------------
大阪商運株式会社(おおさかしょううん)
〒566-0042
大阪府摂津市東別府3-1-22 本社ビル
TEL:06-6195-7655(代表)
06-6340-7391(荷物のお問い合わせ)
受付時間:午前8時~午後6時 日・祝除く
◆運気をアゲル物流はお任せください!!
◆お気軽にお問合せください
>>お問い合わせフォームはこちら
◆未経験の方も大丈夫!ドライバー募集中!
>>5分で分かる大阪商運は こちら
>>各営業所の募集要項一覧は こちら
大阪・愛知・摂津・東大阪
運送会社
路線便・貸切便・共同配送・専属便
------------------------------------------