物流会社で働く従業員を悩ませるのが、腰の痛みではないでしょうか。

運送ドライバーや倉庫で働く方は重作業が多く、とくに運送ドライバーはさまざまな姿勢で業務を行うため、身体の要である腰に負担がかかってきます。

この記事では、腰痛が起こる原因や腰痛を防ぐ対策について解説していきます。

また、一日の業務を座りっぱなしで行う、デスクワークの人も参考にしていただければ幸いです。

物流会社には、なぜ腰痛が多いのか？

物流事業では腰痛で悩まされる人が多く、厚生労働省の資料によると労働災害としても毎年500〜600人もの人が、4日以上休業しているという報告がされています。

また厚生労働省では、腰痛の発生しやすい事例を以下のように掲げています。

• 重量物取扱い作業
• 立ち作業
• 座り作業
• 福祉・医療分野等における介護・看護作業
• 車両運転等の作業

このうちの「福祉・医療分野等における介護・看護作業」以外のすべては運送ドライバーに当てはまるため、腰痛持ちの人が多いといえるでしょう。

運送ドライバーの腰痛の起こる原因とは？

運送ドライバーの腰痛の起こる原因は、おもに以下の3つがあげられます。

• 血行不良
• 姿勢の悪さ
• 不自然な体勢や急な動作

順を追って解説していきます。

血行不良によるコリや筋肉の硬直

運送ドライバーが腰痛に悩まされる一番の原因は、血行不良によることが多いです。

とくに運転中は長時間座りっぱなしのことが多く、腰回りの筋肉や骨盤などがほとんど可動しません。

そのため、腰回りの筋肉が固まりやすく血流が悪くなるため、腰に大きく負担がかかります。

着座位置の悪さによる姿勢の乱れ

運送ドライバーはシートの座り方によって腰痛を引き起こすことも考えられます。

正しい乗車姿勢は直立状態と同様に、横からみたときに背骨がS字を描いている状態です。

過度な猫背や反り腰の状態で長時間運転すると、血行が悪くなるばかりでなく、筋肉が硬直し、慢性の腰痛にもつながるでしょう。

不自然な体勢や急な動作による負担

運送ドライバーや倉庫従事者は物を運ぶ作業が多く、急な不意の動作やひねり動作は腰痛の原因になります。

また重量物を扱う際は、身体の中心付近で作業を行わないと、必要以上の負荷がかかるでしょう。

ほかにもドライバーの長距離移動後は腰回りの筋肉が固まったままなので、そのまま荷物の運搬を行うと、腰への負担が高いといえます。

腰痛を防ぐための対策とは？

腰痛を防止するためには、先ほど述べた原因の対策を講じれば予防につながります。

ストレッチや入浴

長時間座ることの多い運送ドライバーは、腰回りの筋肉が凝りやすいので、血行の促進につながるストレッチや入浴は欠かせません。

とくにストレッチは、筋肉の柔軟性を高めて腰痛になりにくい身体づくりができるので、休憩の際には必ず実践しましょう。

以下の画像にあるキャットレッチは、立っている状態でも行えるので、外出先の隙間時間でもかんたんにストレッチが行えます。

 

ほんとの話。いくら「痩せていいカラダ」になっても、図のような姿勢だと美しくない。猫背、ぽっこりお腹だけでなく「肩こり」「四十肩」「腰痛」のリスクも高まる。そうならないように、胸を張るストレッチをやろう。視点と胸はななめ上に。手はななめ下に引っ張ると上手くいく。更に効果をだすには… pic.twitter.com/lo90yiuRbv

— とぴー｜からだ整える筋活のプロ (@topi3001) August 29, 2022

 

また帰宅後は、キャット&カウ、アシカストレッチなどのストレッチと入浴を併用することにより高い効果が得られるでしょう。

キャット&カウ

アシカストレッチ

適切な乗車姿勢

シートに深く腰掛ける状態でポジションを合わせると、身体が自然な直立状態になりやすいので腰の負担がかなり減ります。

身体とシートの接地面を増やす意識をすると、腰がサポートされて運転がしやすいというメリットにもつながります。

また、座面が高いと膝の位置が上がり腰の負担が高まるので、適切な高さ調整を行ってきましょう。

正しい作業姿勢

荷物を持ち上げる際には、身体に近い位置で持ち上げるようにしましょう。

とくにかがんで行う場合は、膝を着くことも重要です。

身体の一部だけでなく、全身の筋肉をくまなく使って持ち上げるようにすれば腰への負担も減ります。

まとめ

この記事では、物流関係者が抱える悩みのひとつ、腰痛問題について解説していきました。

座りっぱなしによる血行不良や重量物の高い負荷により発症しやすい腰痛ですが、事前に対策をすれば防げる部分も多いです。

とくに定期的なストレッチは効果てきめんで、運送ドライバー以外にデスクワークの方にも高い効果が得られるでしょう。