街中で見かけるトラックの後部に「G」という文字が入ったステッカーが貼られているのを見かけたことはありませんか。
あれはGマークという厳しい審査をクリアした運送業のみに与えられるマークです。
今回はGマークとはいったいどのようなものか、特徴やメリットについて解説していきます。

Gマーク認定とは

Gマークとは2003年より国土交通省が定めた、安全性優良事業所の制度です。
頭文字の『G』の意味は、GOOD (良い) やGROLY (繁栄) の意味があります。
社団法人 全日本トラック協会が、運送会社が輸送の安全に対する配慮や正しい取り組みを行っているかの審査を行っています。
厳しい審査の条件をクリアした運送会社のみにGマークが与えられるので、認定された企業は安全と安心に配慮した企業といえるでしょう。
なお令和3年では、全国28,026事業所が認定を受け、全トラック事業所の32.1%が認定を受けています。
また2020年中における1万台当たりのトラックの事故発生件数は、未所得事業所に比べて20%以下の数値になっています。
これによりGマーク認定が安全に取り組み高い評価を得ている企業のひとつの意味になるでしょう。
また認定基準は主に以下になります。

• 安全性に対する法令の遵守状況
• 事故や違反の状況
• 安全性に対する取組の積極性
  
  以上の3つの項目で100点満点中、80点以上を獲得する必要があります。
  さらに法に基づく認可申請、届出、報告事項が適正になされていることや社会保険等の加入が適正になされていることなどを審査し、厳しい認定要件をクリアした事業所のみ認められます。

出典：国土交通省 事故の少ない「Ｇマーク」トラックが拡がっています！から引用

Gマーク取得のメリット

出典：全日本トラック協会 このマーク、よく見るよね！ ～全国各地を走行しています～から引用

全日本トラック協会の厳しい審査をクリアし、Gマーク認定を受けた運送会社の一番のメリットは、荷主企業からの安心感といえます。
安全性に対する審査をクリアしているということは、荷物を安全に運ぶ信頼につながるからです。
とくにトラックの場合は事故を起こした際の被害が乗用車に比べて大きいため、安全面からも荷主側によるGマークの取得の確認は当たり前のように行われる傾向にあります。
またGマークの取得のメリットは、荷主からの信用以外にも多数あります。

違反点数期間の短縮

本来、交通違反の点数の付与期間は3年間となっていますが、Gマークを取得することにより期間が1年短縮され2年間となります。
交通違反は安全運転上、あってはならない行為ですが拘束時間の長いドライバーにとって、過失が発生してしまう可能性もあります。
その際に違反の損失を抑えられるのは運送会社にとっても、大きなメリットといえるでしょう。

IT点呼の導入

本来、運送業者は運転者と運行管理者による、点呼を「乗車前」「乗車後」場合によっては「中間」に行うことが法律により定められています。
原則点呼は対面で行うことが義務付けられていますが、Gマーク認定会社にはネットワーク機器を用いた「IT点呼」が実施できます。
ネットワーク機器は国土交通省が認めた専用端末やスマホを利用した機器があり、値段もさまざまです。
コストこそ掛かるものの、時間と場所にとらわれず行えるので、業務の効率化に繋がるでしょう。

補助条件の緩和

CNGトラック導入の補助条件が大幅に緩和されます。
具体的には新車のみの導入に係る最低台数要件が通常3台から1台まで減少。
ちなみにCNGトラックとは天然ガスを燃料にしたトラックのことを指します。
ディーゼルよりも排気ガスに有害物質が少なく、かつ燃費もいいので環境に優しいトラックとして国からも補助金の対象になっています。
補助金は通常車両価格との差額の1/3の金額が国土交通省から補助されるので、導入を検討してみる価値はあるでしょう。

まとめ

今回はGマークの特徴や運送会社が導入するメリットについて解説しました。
ハードルは高いですがコンプライアンスが年々厳しくなっていく中で、取得は避けられません。
またＧマーク取得は取引先企業への信頼構築にも繋がりますが、運送会社で働く従業員の安全を守るためにも必要といえるでしょう。