物流・運送業界でEVトラックの導入が進まないわけ
2024.03.25
欧州や中国などを中心に普及の期待が高まる電気自動車(EV)ですが、国内の物流業界においては普及が伸び悩んでいます。
この記事では、EVトラックにおける現状と課題を解説していきます。
世界で進む脱炭素化に対して遅れをとる物流EV
世界中で脱炭素(カーボンニュートラル)に向けた、EVの開発が進んでいます。
とくに欧州では2035年には内燃機関の自動車の販売が原則禁じられるため、各メーカーともEVの開発に注力しています。
日本国内においても脱炭素を目指しており、乗用車については2035年までに新車をすべてEVに切り替えることを目標にしています。
商用車についても8トン以下の小型車は、2030年までにEV比率を20~30%、2040年までには、EVを含む脱炭素車の100%を目指しています。また8トン超の大型車においても、検証を行いつつ2030年までに目標を決定することとしています。
乗用車では、小型ハッチバックの日産リーフや同社軽規格のサクラ、アメリカのテスラの各モデルをはじめとするEVが街中でも見かける機会が増えてきました。
しかし、物流業界においては普及にはほど遠く、日本郵便が導入した軽規格の三菱 ミニキャブ・ミーブ バンとヤマト運輸が導入した小型トラックの三菱ふそう eCanterぐらいしか見かけないのが現状です。
事実、三菱ふそうトラック・バスでは、2022年9月までの5年間に世界で導入されたEVトラックは、わずか450台程度にとどまっていることが発表されました。
海外でも同様の動きで乗用車のEV比率は年々増加傾向にありますが、トラックにおいてはほとんど普及していません。
ちなみにEUでは全トラックの97.8%がディーゼルエンジン車で、EVトラックはわずか0.04%しかありません。
日経クロステック 欧州では2030年までに20万台のEVトラックが必要から一部出展
物流業界でEV化が進まない理由
物流業界で急務なトラックの電動化ですが、なかなか進まないのには様々な要因があります。
そのなかでもとくにウエイトを占める理由を2つ解説します。
航続距離が短く長距離輸送に不向き
現状のEVで航続距離を伸ばすにはバッテリーの容量拡大しかありません。
ラストワンマイルで活躍する近距離輸送ならバッテリー容量はさほど必要ありませんが、長距離輸送となると現状のバッテリーサイズでは対応しきれず、大容量バッテリーは必須といえるでしょう。
また、バッテリーは比重が大きいこともあって、大容量にすればするほど重量がかさみ電費(燃費)も悪くなります。
そのため大型トラックや長距離輸送には不向きであるといえます。
充電に関するコストが高い
EVは給油の代わりに充電が必要ですが、その管理コストが高いことがあげられます。
三菱ふそうのeCANTERの走行可能距離は最大324kmですが、100%まで充電するのに普通充電の場合は、最大で11時間以上の充電時間が必要になります。
急速充電の場合は1.5時間ほどで済みますが、商用トラックの急速充電設備がほぼ皆無なのが現状です。
航続距離が伸びるほど充電回数が増えるため、充電インフラが整っていない現状では長距離EVを導入することは不可能といえるでしょう。
また、バッテリーはモーターなどの電装品に比べて劣化が早く、それが航続距離低下につながります。
そのため、車両コストが大幅にかかるデメリットが生じます。
まとめ
課題が多いEVトラックですが、世界各国で改善が進められており、今後の普及が予想されています。
とくに短い時間で効率的に充電する方式やバッテリーのカートリッジ交換など、さまざまな取り組みが検討されています。
EV自体はオイル交換が必要なく、高寿命、省スペースということもあって、物流業界にふさわしい車両といえるでしょう。
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