物流業界で荷物の運搬に欠かすことができない道具がパレットです。

パレットは荷役・輸送・保管を円滑におこなうために必要不可欠といってもいい道具で、さまざまな種類があります。

この記事では、パレットの特徴と種類やサイズについて紹介していきます。

物流で使用されるパレットの特徴

パレットは荷物を数量ごとにまとめて載せるための台で、荷を載せたまま荷役や運搬だけでなく保管まで対応できる、物流業界では日常的に使われている道具です。

パレットの特徴としてフォークリフトやハンドリフトを使用することを想定しており、パレットにリフトの爪を挿入できるよう、挿入口が設けられていて荷物の運搬が容易に行えます。

素材や大きさは用途や規格でさまざまなものがありますが、およそ1トンまでの荷物なら耐えられる構造です。

荷物をまとめて運搬できることや保管が容易なだけでなく、荷物が傷みにくいこともあって、多くの物流会社や倉庫で導入されています。

逆にパレットがない荷役作業は、相当な手間と時間がかかるだけでなく、荷物が破損しやすい環境となるので、現在の物流の世界では欠かせない存在といえるでしょう。

物流パレットの素材や種類

パレットといえば木製パレットが主流でしたが、近年では運ぶ荷物に応じてさまざまな素材や種類が存在します。

現在、取り扱われているパレットを素材や種類別に紹介します。

木製パレット

世界中で最もスタンダードな材質なのが、木製パレットです。

すのこのように木の板を均一に並べて釘を打ち付けてあり、荷物が滑りにくいのが特徴です。

製造コストだけでなく、廃棄コストも低いので多くの物流会社で導入されています。

衝撃に弱く、耐久性に優れているとはいえませんが、補修しやすいというメリットもあります。

ただし、使用環境によっては腐りやすく虫が湧く可能性もあるので、食品関係の物流で利用されることはほとんどありません。

プラスチックパレット

近年、木製パレットに代わって導入が増えてきているのが、ポリプロピレンとポリエチレンの素材をつかったプラスチックパレットです。

物理的な強度だけでなく、薬品などに対する耐久性にも優れているので、製品から薬品までを取り扱う多くの企業に採用されています。

また、カビやバクテリアが増殖しにくいこともあって、食品関係の運搬にも優れているといえるでしょう。

ただし、破損の際の修復が難しく、廃棄コストがかかることもあり、環境問題に敏感な海外では導入されていることが少ないこともあげられます。

紙パレット

紙パレットは段ボール素材でできたパレットで、軽量化に特化していてリサイクルが容易なこともあって、近年需要が高まってきました。

紙素材であるにもかかわらず、ある程度の強度も確保されていて、少しぐらいの雨や薬品にも耐えられる耐久性があります。

廃棄コストも低いので、SDGsの導入やワンウェイ輸送でメリットを発揮しやすいパレットといえるでしょう。

ボックスパレット

パレットに側板を設けて箱型にした、金属素材の立体的なパレットです。

側板は板状や格子状になっているものが多く、部品や材料のほか農作物の運搬にも利用されています。

また、車輪がついているロールボックスパレットは、スーパーマーケットやコンビニなどの輸送で多く利用されています。

パレットのサイズ

パレットのサイズや寸法は規格で決まっていますが、業界や運搬物でサイズの位置づけが異なっており、およそ100種類のサイズがあるといわれています。

そのなかでも、代表的なパレットのサイズを紹介します。

T11型

1100mm×1100mmのサイズのパレットで日本国内の標準サイズであるJIS規格であり、多くの業種に採用されています。

また、多くのトラックは11型に合わせた荷室となっており、作業効率のいいパレットといえるでしょう。

ビールパレット

900mm×1100mmのサイズのパレットで、飲料や酒類の運搬や保管のために利用されることがほとんどで、水分に強く抗菌性に優れた、プラスチック素材でできています。

ただし、冷凍下でも使用することを想定して、低温で強度が下がるポリプロピレンは採用されず、ポリエチレン製が主流です。

まとめ

この記事では、物流業界ではおなじみのパレットの特徴や種類、サイズについて解説しました。

素材や目的で素材やサイズが異なりますが、各業種で最適なパレットを選ぶことでコストの削減と業務の効率化につながるでしょう。