今後のガソリンやディーゼルなどの内燃機関に変わる動力として注目を集めているのが、電気自動車 (EV) です。

環境に優しいとされている電気自動車ですが、トラックへの導入は進んでいるのでしょうか。

 

電気自動車 (EV) とは？

電気自動車 (EV)とは Electric Vehicleの略で、おもにガソリンや軽油などの燃料を使った内燃機関を使用せずに、蓄電池に貯めた電力でモーターを駆動する仕組みの自動車のことを指します。

二酸化炭素や窒素化合物などを直接排出しないので、電気自動車は環境にやさしく、地球温暖化にも貢献できるといわれています。

また電気自動車のモーターはエンジンに比べてコンパクトでレイアウトの自由度も高いので、スペースの有効活用に反映させることが可能です。

またエンジンがないことにより、荷待ち中や夜間でも騒音や排気ガスの問題を気にする必要がなくなります。

自動車メーカー4社によるEVトラックの開発状況

出典：TESLA 公式Twitterから引用

国内外の自動車メーカーがEVトラックの参入を表明していて、おもに実用化が進んでいるのは以下の4社になります。

• いすゞ自動車
• 日野自動車
• 三菱ふそうトラック・バス
• テスラモーターズ

順を追って解説していきます。

いすゞ自動車　2022年中に小型EVトラックを実用化

いすゞでは小型トラック「エルフEV」を2019年よりモニター稼働し、2022年中には市販化に向けて現在も開発が進められています。

バッテリーの容量は39.5kWhを2個搭載し、航続距離は約100km程度になる見込みです。

長距離には不向きなので、用途としてはコンビニエンスストアなどの配送用などに限定されるでしょう。

日野自動車　2022年に小型EVトラックの発売を開始

日野自動車では小型EVトラック「日野デュトロ Z (ズィー) EV」の発売を2022年6月より開始しました。バッテリーの容量は40kWhを1個搭載し、航続距離は約150km程度になる見込みです。

普通免許でも運転できる小型トラックで、EVトラックならではの振動や騒音のない運行ができます。

ゼロエミッションと高い静粛性で、周辺環境にも配慮し夜間の運行でもメリットを享受できるでしょう。

三菱ふそう　2020年に小型EVトラックの販売を開始

三菱ふそうでは、2020年に小型EVトラック「eキャンター」をリース販売にて運用を開始しています。バッテリーの容量は13.5kWhを6個搭載し、航続距離は100km程度可能です。

普通免許でも運転できる小型トラックで、EVトラックならではの振動や騒音のない運行ができます。

ミリ波レーダーの単眼カメラを搭載しているので、障害物や歩行者などを感知して、警報音や自動ブレーキで危険を回避してくれます。

テスラ　本国アメリカで「セミ」を2022年以内に発売予定

アメリカの電気自動車メーカーTESLAは、2022年中にトレーラー牽引用のEVトラック「セミ」を発売することを発表しました。

同社セダン「モデル3」用のモーターを3基搭載し、バッテリーの容量は600～1000kWhを予定しています。

航続距離は483～805kmと比較的あるものの、日本への導入は未定となっています。

まとめ

今回は電気自動車の特徴やEVトラックの開発状況などを解説しました。

電気自動車 (EV) は魅力的なメリットが多数あり、自動車の概念を根本的に変えてしまうほどの技術が多数盛り込まれています。

問題はコストと航続距離が今後の課題となり、中長距離ではまだ導入が難しいのが現状といえます。

しかしEU (欧州連合) では、2035年までに欧州域内で販売する乗用のガソリン車やディーゼル車の新車販売を、事実上禁止する規制案が決定しているので電気自動車に随時切り替えていくのは避けられないでしょう。