空から物を届ける時代！

ドローンによる配送事業が、法改正により現実味を帯びてきました。

2022年度の無人航空機によるレベル4解禁にむけて、各企業がドローン運送の実現化に進んでいます。

無人航空機におけるレベル4は、主にドローンを使用し有人地でも目視外で荷物の運搬が可能になる飛行形態です。

今回はドローン運送のメリットや現状、そして課題を解説していきます。

ドローン運送のメリット

ドローンを運送業で活用することにより、以下のメリットがあります。

• 運送時のコストを抑えられる
• 過疎地や被災地へも運送できる
• 高所や離島までの運搬が可能

やはり大きなメリットは運送時のコストを抑えられることです。

ECサイトからの個人宅への配送をドローンでまかなうことができれば運送にかかるコストを削減することが可能です。

また過疎地や被災地への運送が陸路に比べて楽というメリットも挙げられます。

被災地では道路の崩落により通行が困難になる場合が多々あり、運送業に大きな影響を及ぼしました。

ドローンを活用することにより、被災地への物資の運送をスムーズに行うことが可能です。

また山間部などの高所や離島に運搬する際には時間の短縮になることも見逃せません。

運送業界におけるドローンの現状

運送業界におけるドローンの現状を日本と海外と海外で比較すると、日本は出遅れている感が否めません。

なぜなら日本は他国よりも安全性に配慮する前提が大きいからです。

ここでは海外と日本のドローンの現状を比較していきます。

海外のドローン事情

海外では積極的に実験を行い、実用化に向けて取り組んでいます。

例えばアフリカのルワンダでは血液輸送の配送実験データを構築し、ほぼ実用化しています。

ニュージーランドでは一部のドミノピザが宅配サービスの実用化、アメリカのセブンイレブンでは軽食の配達サービスを成功させています。

スイスやフィンランドの郵便局では5㎏以上の荷物の配達に成功。

経済が急成長している中国ではドローン専用の配送ステーションを設置し実用化しています。

日本のドローン事情

 

出典：サービス市場の分野別市場規模（インプレス総合研究所作成）より一部引用

日本ではこれまで橋梁やダムなどの点検がメインでドローンが利用されてきました。

今後は運送業の参入が飛躍的に伸びることが予想され、物流サービス会社や通信サービス会社が目立ってきています。

代表的な企業はセイノーホールディングスや楽天やKDDIが挙げられます。

セイノーホールディングスでは過疎地に特化し、過疎地域からの注文を中継地点からドローンでドローンスタンドまで運搬し、実現化に取り組んでいます。

過疎化の進んだ地域では都市部に比べて運送コストが高いため、今後の活動に期待が高まります。

楽天では世界初のドローン物流サービスの「そら楽」を展開し、ゴルフ場内の軽食などの運搬に使用されていました。

KDDIの展開する物流用ドローン「PD6B-type3C」では、最大30㎏の重量物の運搬も可能で今後のドローン運送に大きな期待がかかります。

ドローン運送における今後の課題

メリットの大きなドローン運送ですが、構造上や法整備の問題などが大きな課題となっています。

墜落や接触のトラブルをいかに回避するかが問題となっており、各企業が問題解決に向けて日々取り組んでいます。

天候に左右されやすく豪雨や降雪、強風に弱いため、悪天候だと陸路よりも運送効率が悪くなる点も課題のひとつです。

また夜間や人口密集地域では飛行が禁止されています。

重量物の運搬までの実用化は現状では困難なのでここは技術の進歩が不可欠といえます。

まとめ

2022年の法規制により、ドローン運送元年といえる本年。

安全性や運搬能力に課題が残るドローン運送ですが、コストの低さを考慮すると活用しない手はない日が近づいています。

数年後には陸路のトラックと空路のドローンを組み合わせたハイブリッド運送を行う事業も増え、ドローンが荷物を運ぶのが当たり前の時代が来るのは間違いないでしょう。