物流業界を直撃する暫定税率とは?仕組みと削減時の効果も試算
物流業界で深刻な問題になっているのが、燃料費の高騰による物流コストの増加です。
燃料費の高騰は運賃に上乗せしにくいこともあって、業界内で注目されているのが燃料にかかる暫定税率の廃止です。
この記事では、暫定税率が導入された経緯や現在の仕組み、廃止後の燃料代の価格について解説していきます。
暫定税率とは?仕組みと現状を解説
暫定税率は1974年に道路整備の財源確保のために、ガソリンや軽油などに高い税率をかけることになったことが始まりです。
ガソリンと軽油では暫定税率額が異なり、ガソリンは1リットルあたり25.1円、軽油の場合は1リットルあたり17.1円となっています。
本来なら一定の期間を経て廃止になる予定だった暫定税率でしたが、2009年には税金の使い道が道路整備以外にも提要される一般財源に変更されました。
暫定税率によって得られた税金は、道路整備以外の使用が可能になったため、財源が必要な政府は現在でも暫定税率の廃止に至っていません。
暫定税率が恒久化されることで物流業界に与える影響は?
財源確保のために恒久化されている暫定税率ですが、物流業界に与える影響は甚大だといえます。
とくにトラック運送業では、輸送コストで最も高い40%を占める人件費に次ぐ、約15%が燃料代といわれています。
現在の物流業界の中でもトラックを利用した運送業は、人手不足や燃料費の高騰によって持続的な成長を妨げているのが現状です。
物流業界の収益の圧迫は、大手企業であれば燃費性能の高い車両導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)などによるコストの平準化が可能ですが、中小企業では難しいだけでなく、運賃の転嫁も容易ではありません。
暫定税率廃止されたら?燃料費の削減効果を試算
もしも暫定税率が廃止になった場合、どれほど燃料費は削減できるのでしょうか。
物流会社が毎月かかる燃料費は会社の規模やトラックの種類、保有台数で大きく変わってきます。
今回は、中堅運送会社を想定して月間燃料費を算出してみました。
中小運送会社の一例
- 保有トラック:20台(うち大型10台、中型10台)
- 月間走行距離:平均7,000km
- 平均燃費:大型=3.0km/L、中型=5.0km/L
月間消費量の概算
- 大型10台 × 7,000km ÷ 3.0km/L ≒ 23,000L
- 中型10台 × 7,000km ÷ 5.0km/L ≒ 14,000L
- 合計:約37,000L/月
暫定税率:軽油1L/17.1円×37,000L=約632,000円
これは、中小企業であれば2人分の人件費に相当する金額です。
大手物流企業であれば、燃料消費量はこの10倍以上に達する場合もあり、税率廃止による恩恵はさらに大きくなります。
2024年5月時点の政府の対応策
2025年5月時点での全国平均の軽油価格は、1Lあたり約163円ほどで推移しています。
暫定税率の廃止に向けた具体的な動きは見られず、引き続き暫定税率込みの価格が適用されています。
一方で政府は、燃料価格高騰対策として、2024年5月22日から補助金の支給を決定しました。
この補助金により、ガソリン・軽油ともに1Lあたり最大10円の引き下げを目指す方針です。
ただし、価格の変動や市場の混乱を避けるため、段階的な補助が見込まれており、最終的な引き下げ時期は未定とされています。
まとめ
本記事では、暫定税率の仕組みや物流業界に与える影響について解説しました。
燃料費にかかる暫定税率物流業界だけなく、国民生活に与える影響は甚大で今後の政府の動きが注目されています。
もし廃止されれば、燃料コストの削減によって企業の収益改善や従業員への還元が見込まれ、業界全体の健全な成長に寄与することは間違いありません。
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