中小企業の商用車や宅配業で数多く採用されているのが小型トラックです。

とくに宅配業では狭い路地の通行や頻繁に駐停車する機会が多いため、小型トラックが実力を発揮します。

この記事では、小型トラックの定義や各メーカーのラインナップについて解説していきます。

小型トラックの定義と特徴を解説

小型トラックの定義ですが、トラックメーカーでは以下のボディサイズや積載量が条件となっています。

• 全長：4.7m以内
• 全幅：1.7m以内
• 全高：2.0m以内
• 車両総重量：5トン内
• 最大積載量：3トン内

ボディサイズ的には商用ワゴンのトヨタ「レジアスエース」や日産「キャラバン」と同等なので、都市部でも運転しやすい部類に入るでしょう。

小型トラックの運転は普通免許（第一種運転免許）で可能なこともあり、ドライバーに対する敷居が低いのも特徴といえます。

ただし、普通免許で運転できるのは、車両総重量が3.5トン・最大積載量が2トンまでで、それ以上のサイズは準中型免許の取得が必要になります。

物流業界で活躍する国産小型トラック代表車種3モデル

日本国内の物流業界で活躍する中型トラックはおもにいすゞ、三菱ふそう、日野の大手3社です。

それぞれのメーカーの特長を車種別に解説します。

 

いすゞ エルフ

いすゞ エルフ公式より出典

いすゞ「エルフ」は2023年にフルモデルチェンジが行われました。

架装バリエーションは平ボディや車両・重機運搬車のほか、EVモデルまで選択でき、いすゞのトラックのなかでもっとも豊富なラインナップといえるでしょう。

エクステリアは近年のいすゞのアイコン的なデザインで、キャブ前面を目的別にゾーン分けにしたレイヤーゾーニングフェイスを採用しています。

また、ボディカラーは商用トラックでおなじみの白以外にも、オレンジやグリーンなど合計18色の中から選択可能です。

インテリアの質も向上しており、視認性にこだわったグラフィック表示の7インチメーターディスプレイやタッチパネル搭載7インチセンターディスプレイを搭載しています。

走行性能も向上していて、9速デュアルクラッチトランスミッション「ISIM （アイシム）」は、変速タイムラグも少なく、AT車感覚で運転できるでしょう。

三菱ふそう キャンター

三菱ふそう キャンター公式より出典

三菱「キャンター」の最新モデルは2024年3月に発売され、14年ぶりにインテリアデザインが一新されました。

インテリアは質感が向上しただけでなく、モダンなデザインもあって商用車レベルを超える作りになっています。

メーターは、走行状態がひと目でわかるフル液晶を採用し、視認性にも優れた10インチを採用しています。

また、先進安全装置においては、左折巻き込み防止機能「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」や精度の向上した衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト 5」を拡充することで、安全性も大幅に強化しました。

フロントマスクもLEDヘッドライトにデイタイムランニングライトを新たに装備することで、精悍な顔立ちになっています。

ほかにもクラッチペダルレスのデュアルクラッチ式AMT「DUONIC 2.0」の搭載や悪天候にも強いフルタイム4WDもラインナップなど、ドライバーの負担を軽減する装備も数多く搭載されています。

日野 デュトロ

日野自動車　デュトロ公式より出典

 

日野デュトロの現行モデルは2011年にフルモデルチェンジをおこない、2022年にはハイブリッドモデルの追加を伴う、マイナーチェンジを行いました。

他のモデルよりも基本設計の古さは否めませんが、歩行者や自転車を検知を検知して警報とブレーキで衝突回避を支援する「PCS（プリクラッシュセーフティ）」は標準装備。

また、超低床のEVモデル「デュトロ Z EV」も加わり、選択肢も豊富になってきました。

さらにエンジンもディーゼルやハイブリッドだけでなく、ガソリンやLPGも選択可能な豊富さはデュトロのアドバンテージといえるでしょう。

ほかにも排出ガス後処理システム「DPR‐2」を採用しており、尿素水を使用せずに排出ガス規制をクリアしており、ランニングコストの軽減を実現しています。

まとめ

最新の小型トラックは内外装の質感が飛躍的に向上しており、快適装備や安全支援装備の拡充など、ドライバーに優しい技術が数多く導入されています。

経済面においても燃費の向上やメンテナンスフリー化など、ランニングコストにおいても恩恵を享受できているといえるでしょう。

また、昨今では大型免許の取得者が減少傾向にあるため、物流の中核として今後の活躍が期待できます。