中継輸送がいま大注目！物流2024年問題の救世主になるか

物流2024年問題による人手不足の解消が見込まれないなか、長距離輸送で注目されているのが「中継輸送」です。
この記事では中継輸送の特徴と種類、またメリットやデメリットについて解説していきます。

中継輸送とは？

中継輸送とは、1つの運行を複数人のドライバーで完了させる輸送のことを指します。

これまでは集荷から納品まで1人のドライバーで対応していましたが、中継地点ごとに運行を分担させることで、ドライバーの長時間労働を削減する狙いです。

ドライバーの拘束時間が短縮されることで、物流2024年問題の解決策として注目されるだけでなく、従業員満足度（ES）の向上にもつながるでしょう。

中継輸送の3つの方式

中継輸送にもさまざまな方式があり、それぞれの方式によって利点も変わってきます。

ここでは中継輸送の代表的な3つの方式を解説します。

ドライバー交代方式

ドライバー交代方式とは、1台のトラックを複数のドライバーが乗り換えて運行する方式を指します。

ドライバー自体が入れ替わるだけなので中継地点でのリードタイムが短く済み、効率的な方式といえるでしょう。

また、荷物やトラックの入れ替えもないので、スペース面で考慮する必要がないのも特徴といえます。

一方で、ドライバー側は普段のトラックとは違う車両を運転する可能性もあるので、高いストレスがかかるおそれがあります。

ほかにも、複数の事業者で運行した場合は、延滞はもちろんのこと、車両事故や荷物の破損の責任所在を事前に協議する必要があるでしょう。

貨物積み替え方式

 

貨物積み替え方式とは、中間地点で別のトラックに荷物を積み替える方式を指します。

ドライバー側は普段のトラックで輸送できるので負担が少ないことが挙げられるだけでなく、企業側も管理がしやすいのが特徴です。

ただし、荷物の積み替えにかかるリードタイムが発生し、荷物の種類や中継地点の設備で大きく左右されます。

また、積み替え時の荷物の破損や荷持ちの補償など、責任の所在を事前に明らかにしておく必要があります。

トレーラー・トラクター方式

トレーラー・トラクター方式とは、中継地点でトレーラーを別のトレーラーヘッドで引き継ぐ方式を指します。

荷物の入れ替えもなく、トレーラーヘッドのみの切り替えなので数分程度で終わることがほとんどなので、リードタイムは短いといえるでしょう。

一方で、トレーラーヘッドの切り替えには相応の場所が必要であることと、事前にトレーラーヘッドが連結可能なのかの確認が必要です。

また、けん引免許も必要となり、輸送コストの上昇も避けられないでしょう。

中継輸送のメリット・デメリット

中継輸送は今後の長距離輸送でも導入が加速される見込みですが、メリットだけでなくデメリットにも目を向ける必要があります。

ここでは中継輸送のメリット、デメリットをそれぞれまとめてみました。

中継輸送のメリット

中継輸送の最大のメリットは、ドライバーの労働環境の改善にあります。

とくに長距離輸送は長時間労働が常態化しており、物流2024年問題以前から危惧されてきました。

そこで、中継輸送を導入することで労働環境の改善のみならず、人材が集まりやすい職場環境の構築にも繋がります。

また、他企業との連携によって物流ネットワークの拡大にもつながるでしょう。

中継輸送デメリット

中継輸送のデメリットは、構築までに多大なコストがかかるということです。

前述の中継輸送の3つの方式全てにおいて、事前に運送会社間で緻密な協議が必要になります。

また、中継輸送は中継地の設定やドライバーの管理・確保など、初期投資によるコスト上昇のため償却までに機関が要する可能性が高いです。

ほかにも他事業者の連携だと運行スケジュールの変更が難しいので、急な変更やスポット依頼は難しい傾向にあります。

 

まとめ

この記事では中継輸送の特徴やメリット・デメリットについて解説していきました。

中継輸送はこれまで過剰なサービスで従事していた物流業界で、労働負担の軽減が期待できる輸送方式といえるでしょう。

今後は、時代の流れに沿った労働環境の構築のために、中継輸送が加速していくものだと思われます。