国内物流のなかでももっとも利用されているトラックが、中型トラックです。

日本の交通事情において、比較的小回りが効きながら積載能力も高いため、低距離から中距離において活躍しています。

この記事では、中型トラックの定義や各メーカーのラインナップについて解説していきます。

物流業界で活躍する中型トラックとは？

中型トラックの定義ですが、以下のボディサイズや積載量が条件となっています。

• 全長：12m以内
• 全幅：2.5m以内
• 全高：3.8m以内
• 車両総重量：7.5トン以上11トン未満
• 最大積載量：4.5トン以上6.5トン未満

なお、ボディサイズに関しては大型トラックとの違いはなく、差別化は車両総重量と最大積載量で決まります。

ただし、2017年に道路交通法の改正により準中型免許が制定され、免許区分がさらに細分化されています。

具体的には、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満のトラックは準中型免許が必要で、それ以上のトラックに関しては中型免許となります。

さらに2007年6月1日までに普通免許を取得した人に限っては、車両総重量が8トン未満の中型トラックであれば運転可能です。

物流業界で活躍する国産中型トラック代表車種3モデル

日本国内の物流業界で活躍する中型トラックはおもにいすゞ、三菱ふそう、日野の大手3社です。

それぞれのメーカーの特長を車種別に解説します。

いすゞ フォワード

いすゞ フォワード公式より出典

 

いすゞ「フォワード」は2023年にフルモデルチェンジが行われました。

バリエーションは「平ボディ」、「バンボディ」、「温度管理系バン」の3種類で、ウインバージョンも多数用意されています。

エンジンも5.2リッターディーゼルターボエンジンが3種類、6.7リッターディーゼルエンジンが2種類の計5種類のラインナップです。

5.2リッターディーゼルターボでは最大で最高出力240㎰、最高トルク765Nm、6.7リッターディーゼルエンジンは最大で最高出力300㎰、最高トルク883Nmを発生します。

トランスミッションはいすゞでおなじみのスムーサーFx搭載モデルもあり、クラッチ操作不要でアップダウン可能です。

フロントフェイスはメッキの大型グリルとLEDを多用した近年のトレンドを採用し、事故を未然に防ぐ車線逸脱を予防する「レーンキープアシスト」やドライバー異常時の被害軽減に貢献する「EDSS」を搭載しています。

三菱ふそう ファイター

 

三菱ふそう ファイター公式より出典

三菱「ファイター」の最新モデルは2021年3月に発売され、先進装備の拡充が強化されています。

前方認識カメラと高精度ミリ波レーダーで、前方の交通状況を検知する衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5」を搭載することで、歩行者などの衝突を未然に防ぎます。

バリエーションが豊富なのがファイターの特徴でカーゴはもちろん、D-VAN/D-WINGやダンプ＆ミキサーまで選択可能です。

エンジンは最高出力170㎰、最大トルク520Nmの3.9リッターディーゼルターボと最高出力220～270㎰、最大トルク745～785Nmの7.5リッターディーゼルターボのラインナップです。

座席はクッション性の高いエアシートを搭載しており、このあたりはドイツのダイムラートラックの傘下ならではといえるでしょう。

日野 レンジャー

日野自動車　レンジャー公式より出典

日野レンジャーの現行モデルは2017年にフルモデルチェンジをおこない、2024年には安全装備の改良を加えたモデルを発売しています。

同社大型のプロフィア同様にグリルが大型化され、バンパーに埋め込まれたヘッドライトとLEDシグ二チャーランプが、洗練された印象を与えています。

センターコンソールは他の2社のようにモニターは未搭載ですが、カーボン調のパネルや運転席側に集約されたレイアウトは商用車のレベルを遥かに超えています。

トランスミッションは日野独自のプロシフトを搭載し、基本的にはアクセル操作だけで運転できる優れものです。

エンジンは5.1リッターディーゼルを搭載し、最高出力は190〜260ps、最大トルクは706〜882Nmを発生します。

まとめ

最新の中型トラックは安全運転支援装置が満載で、フロント部やサイド部だけでなく車内のカメラやレーダーで異常を検知し、事故を未然に防いでくれます。

また、多くのモデルでクラッチレスの変速が可能で、とくに渋滞時などはドライバーに優しい仕様です。

あとは装備が満載な分、1000万円を超える車両本体価格が償却金が長くなったことが課題といえるでしょう。