2024年度も半年が経過しても、なお問題解決の糸口が見つからないのが「物流2024年問題」です。

さらに労働人口の減少による人手不足や小口配送の増加などが拍車をかけて、状況はより深刻化しています。

そんななか、物流業界のみならずさまざまな業種と提携することで、業務や人手不足改善の動きが活発化してきました。

今回は物流業界と業務提携することで、効率化を目指した事例を4つ紹介します。

 

タイミーと物流各社が人材確保のための資本参画及び実証実験

タイミー公式プレスリリース 株主として物流大手の4社が新たに資本参画より出典

近年では、副業の解禁が進んでいることもあり、スキマ時間で働く人も増えてきました。

そのようなワーカーと企業の要望に対し、いち早く取り組んできたのがスポットワークのマッチングアプリサービスでシェアNO.1を誇る「タイミー」です。

倉庫内の補助業務は未経験者でも敷居が低く取り組みやすいこともあって、AZ-COM丸和ホールディングス、セイノーホールディングス、NIPPON EXPRESSホールディングス、福山通運の大手4社が今後の人材確保強化のため、新規株主として参画しました。

また、2024年7月にはセンコーが、物流センター運営でスポットワーカーが働きやすい環境構築のため、タイミーと連携し比率を高めて検証することを発表しました。

 

日本郵便がスマホで簡単に荷物のサイズ計測ができる「ぽすめじゃー」を採用

Automagi公式ニュースより出典

 

日本郵便は、2024年9月30日にスマホのカメラ機能を用いて荷物のサイズ計測が可能な「ぽすめじゃー」の採用を発表しました。

開発にはAI技術の応用やIoTの開発を行う「Automagi」社が共同で取り組み、ゆうパックやゆうパケットなど多様な配送サービスのなかから理想の選択をおこなえるサービスです。

ぽすめじゃーはアプリ内のカメラ機能にLiDARで取得した空間情報と三辺計測技術を活用することで、瞬時に荷物のサイズ測定を可能にしています。

スマホ1台で簡単に測定でき、さらに適切な配送サービスの選択がおこなえるため、依頼主と集配係の利便性の向上が見込まれています。

 

サトーが液体入りガラスボトルに対応したRFIDタグを開発

サトー公式リリースより出典

 

ラベル製作メーカーとして世界一のシェアを誇るサトーが、液体入りガラスボトルに対応したRFIDタグの製作に成功しました。

これまでのRFIDタグは液体が電波を吸収してしまう性質のため、液体が入ったボトルには使用できませんでした。

とくにワインなどではソムリエにより品質管理が求められていましたが、新開発のRFIDタグを利用することで1本単位で管理が容易になります。

また、結露にも強く、ワインセラー内で1ヶ月の保管した後でもタグの読み取りが可能です。

今後は小売店のみならず、飲食店や高級ホテルなどにも裾野を広げていく予定です。

 

リクルートが提供する引越し一括サイト『SUUMO引越し見積もり』で「配車サポート」のサービス開始

リクルート公式 引越し配車業務を一元管理する「配車サポート」を提供開始より出典

 

リクルートが展開する「SUUMO」の引越し見積もりで、配車業務をWeb上で一元管理するサービスが2024年9月30日より導入されました。

これまでの引越し業者の配車手配は、書面やエクセルなど管理方法がまちまちで配車ミスや効率化に遅れをとっていました。

このような状況もあって各引越し業者がWeb上でトラックの種類やルートのほかスケジュールなどを管理することで、人的ミスを極力減らし、業務の効率化を向上する仕組みです。

これまでは無駄が生じていた配車サービスが、「配車サポート」を通じて調整することで利用者、提供者双方にとってメリットの大きいサービスといえるでしょう。

 

まとめ

この記事では、物流2024年問題の業務の効率化に向けた、異業種との業務提携4選を解説しました。

物流2024年問題の明確な解決への糸口が見つからない状況のなか、異業種との連携はもはや必要不可欠といえるでしょう。

ほかにも異業種同士の共同配送や倉庫の完全自動化の管理など明るいニュースも発表されています。