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物流2024年問題の救世主に!ダブル連結トラックの特徴と課題

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2024.07.30

2024年の物流問題の切り札といわれ、導入の期待が高まっているのが「ダブル連結トラック」です。

メリットばかりが注目されるダブル連結トラックですが、導入の課題も残っていて想定以上に進まない現状が続いています。

この記事ではダブル連結トラックの特徴やメリット、また課題について解説していきます。

ダブル連結トラックとは

いすゞ、「ジャパントラックショー2022」に小型トラック「エルフEVモニター車」から出展

ダブル連結トラックとは大型トラックの後方にけん引装置を取り付け、ほぼ同サイズの荷車をけん引する車両を指します。

これまでは車両長が最大で21mまでと規制されていましたが、2019年の法改正により最長25mまで延長されるようになりました。

1台で2台分の輸送が可能になるため、今後の省人化の促進に期待が高まっています。

ダブル連結トラックの緩和要件

長さ21mを超えるフルトレーラーを走行させるには以下の要件をすべて満たす必要があります。

車両の条件

  1. 車両の条件は、フルトレーラ連結車のバン型であるということにプラスして以下の条件が求められます。
  • アンチロックブレーキシステム
  • 衝突被害軽減ブレーキ又は自動車間距離制御装置
  • 車両安定性制御システム
  • 車線逸脱警報装置
  • 後部視界を確保するための被けん引車後端のカメラシステム及びモニター
  • デジタルタコグラフ
  • 車両の長さ及び「追越注意」の文言を表示すプレート※一文字の大きさが15cm×15cm以上で後続車が確認できる箇所に設置
  • 車載型自動軸重計測装置(OBW)又は出発時に計測した当該車両の車軸ごとの軸重を記録した書類
  • トラクションコントロールシステム
  • 業務支援用ETC2.0車載器

ほかにもディスクブレーキまたはドラムブレーキやリターダ、車体輪郭のマーキングなども必須となっています。

積荷の条件

積荷にも条件があり、以下の荷物を積載して運搬することはできません。

  • 危険物貨物(道路施行令第19条の12各号及び第19条の13第1項各号に掲げる貨物)
  • 大量の液体
  • 動物

その他の条件

ほかにも運転者の条件として大型自動車運転業務に直近3年以上従事の業務経験およびけん引免許1年以上の保有や安全教育訓練の実施、直近3年間の無事故、無違反などが必要になります。

さらに通行ルートに制限があり、基本的には自動車専用道路を走行するルートに設定する必要があります。

ダブル連結トラックのメリット

ダブル連結トラックのメリットは大きく分けて以下の2つになります。

人手不足の解消

これまで20トンの輸送に関しては、2名のドライバーが必要でした。

しかし、ダブル連結トラックを導入することで、1名で2台分の輸送が可能になるので、トラックドライバーの人手不足で深刻化している物流2024年問題の打開策として期待されています。

固定費等のコスト削減

トラック2台分の輸送を1台でまかなえることによって、トラック自体の導入コストも削減できます。

また維持費の中でも無視できない税金や保険関係もトレーラーの場合は非課税となるので、経費も抑えやすいです。

また、環境にも優しく、従来のトラック2台分の輸送に比べて、ダブル連結トラックでは、CO2排出量は約35%の削減が見込まれています。

ダブル連結トラックの課題

メリットの大きなダブル連結トラックですが、同時に課題もあり導入が進まないのが現状です。

その課題を2つ紹介します。

駐車スペースの確保

ダブル連結トラックは通常のトラックの倍近いサイズになるため、一般的な駐車場に駐車することが困難で、専用の駐車スペースの確保が必要になります。

2024年3月末時点では、152箇所の駐車マスが整備されていますが、まだまだ少ないのが現状です。

通行区間の限定

ダブル連結トラックは、すべての道路を通行することができず、あらかじめ許可を得た道路のみ通行可能です。

おもに高速道路がメインで、一般道は最小限の区間のみとされています。

2022年に行われた拡充では最大5,140kmと従来に比べて、約2.5倍の距離になりました。

まとめ

なかなか普及が進まないダブル連結トラックですが、普及にむけて政府も対応策を協議している段階です。

2024年9月からは首都高速道路、阪神高速道路、道央自動車道などにも拡充される見込みで、実現すれば2割以上の区間拡大になります。

また、トラックメーカーもダブル連結トラック用の整備拠点を新設するなど、普及促進を目指しています。

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