ドローン物流が2024年問題を変える?期待が高まる可能性
2024.01.03
人手不足をはじめとする物流の「2024年問題」が深刻化していますが、今後の物流のあり方のひとつとして「ドローン物流」が注目されています。ドローン物流が実用化すれば、とくに過疎地や山間部などでの輸送に大きく役立つでしょう。この記事では、ドローン物流の特徴やメリットや問題点について解説していきます。
ドローン物流とは?
ドローンの定義は無人かつ、遠隔操作または自動で飛行できる重量200g以上の機体を指します。
航空機のようなドローンも存在しますが、ほとんどのドローンは4から8個のプロペラで構成されています。
最近ではYouTubeやテレビ番組、映画などの空撮をドローンで撮影することが当たり前になってきました。
そのほかにも、ロシアウクライナ情勢でドローンを使用した爆撃機が猛威を振るっています。
このようなドローンを物流業界でも活用しようとする動きが活発になってきました。
とくに配送効率が低下する山間部や人口密度が低い地域、海上や離島などのトラックでの配送に適さない地域での活用に期待が高まっています。
ほかにも倉庫内ではドローンにRFIDリーダーとAIを組み合わせることで、棚卸しやピッキング業務の活用が期待されています。
また、開発当初の積載重量は5kgぐらいが一般的でしたが、最新のドローンは50kgまでの輸送に対応するなど機体の性能向上が目覚ましいです。
ドローン物流導入のメリット
ドローン物流を導入するメリットは数多くありますが、主なメリットは以下の4つです。
- 交通状況に左右されない迅速な運搬が可能
- 運搬が困難なルートでも運用が可能
- 物流業界の人手不足を補える
順を追って解説していきます。
交通状況に左右されない迅速な運搬が可能
トラックなどによる陸送は、周りの交通状況で配送時間が大きく変わります。
しかし、ドローン物流は空からの運搬になるので、交通渋滞などの概念が存在しません。
また、道路や地形の影響を受けることがないので、直線の最短ルートで運搬が可能です。
運搬が困難なルートでも運用が可能
ドローン物流でもっともメリットが活かせる運用は、コストがかかる地域への運搬です。
山間部やカーブの多い地域などの時間のかかる場所も短時間で運搬ができます。
それ以外に道路がない場所や被災地への運搬、海上や離島など陸送では困難なエリアでも問題なく運搬できます。
物流業界の人手不足を補える
現在の物流業界ではとくにトラックドライバーの人手不足が深刻となっています。
配送効率が低い、過疎地や山間部にドローンを活用することでドライバーの人件費の削減につながるでしょう。
またエリア次第では配送時間短縮にもつながるので、こちらも人件費の削減につながります。
物流ドローンの問題点
メリットが多数あるドローン物流ですが、問題点も多数あり今後の改善目標になっています。
ドローン物流導入の問題点は以下の3つです。
- ドローン物流では運搬対象が限られる
- 墜落による被害が甚大な可能性も
- ドローン物流は天候に左右されやすい
ドローン物流では運搬対象が限られる
ドローン物流では荷物の対象が限られており、大型の荷物や重量物の運搬が困難な状況です。
現状では運搬物のサイズや重量規制はありませんが、陸送のようにまとめて大量の荷物を運ぶのには適していません。
また、ドローンはバッテリー容量と荷物の重量で航続距離が左右され、最長でも50km未満がほとんどのため、トラックに代わる長距離輸送にはほど遠いのが現状です。
墜落による被害が甚大な可能性も
現状では有人地域でも運用が可能なドローン物流ですが、墜落による被害の想定が困難なことから都市部での運用はほとんど実施されていません。
ドローン墜落による荷物の破損だけでなく、車や建造物などの被害が問題視されています。
また、人との接触は大事故につながる可能性もあるので、リスクに見合った収益が難しいことから導入も慎重になっている企業が多いようです。
ドローン物流は天候に左右されやすい
ドローンが飛行体である以上、運用は天候に左右されやすい状況にあるといえます。
とくに風には弱く、強風時は運搬を断念せざるを得ない状況にもなるでしょう。
ほかにも大雨や降雪にも弱く、台風シーズンや積雪地方の冬は、稼働率が低下しやすくなります。
まとめ
地形や道路状況にとらわれない運搬能力に優れたドローンですが、一方で荷物の制限や天候に大きく左右されやすい問題点を抱えています。
航続距離のまだまだ改善の余地があり、物流の中心になるには当面先の話といえるでしょう。
ただし過疎地や山間部などに特化した運用は、トラックドライバーの業務負荷軽減につながり、今後の物流問題解決のきっかけになるかもしれません。
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