米国の自動車メーカー、テスラの電動大型トラック『semi (セミ)』が2022年12月に初納車されました。

日本でも小型トラックの電気自動車は、三菱ふそうや日野から発売されていますが大型トラックの発売は全世界が注目しています。

今回はテスラの『semi』について解説していきます。

 

テスラはどのような会社？

出典：TESLA 公式から引用

テスラは、アメリカのテキサス州に本社を置く電気自動車メーカーです。

電気自動車メーカーとしてはシェア世界第2位となっており、時価総額は9,012億2,000万ドルで販売台数世界1位のトヨタの時価総額2,370億6,000万ドルの3倍以上の資産価値となっています。（2022年3月時点）

テスラの人気の秘密は、電気自動車に特化した独自のビジネスモデルや自動運転に関する先進技術が特徴です。

また、CEO (最高経営責任者) のイーロン・マスクは、世界大手のインターネット決済サービスであるPayPalの創業者であり、最近ではTwitterを買収してCEOになったことでも話題になりました。

 

テスラ『semi』はどのような車？

出典：TESLA 公式から引用

『semi』はテスラから発売された最新の電気自動車です。

テスラでは5つのモデルが販売されており、『semi』を除く4つのモデルはすべて乗用車タイプとなっています。

唯一のトラックタイプ (トレーラー) である『semi』は、現在米国のみで購入可能です。

『semi』は、トレーラーの牽引に用いられるトレーラーヘッドで、動力は同社『モデルS』ベースのモーターを3基搭載しています。

動力性能は非常に高く、トレーラーヘッドのみの状態で0-97km/hまでが5秒、フル積載状態でも20秒しかかかりません。

航続距離は、1000kバッテリー車の場合で約800km、小型の600kWhバッテリー車の場合で約480km (どちらもフル積載状態) の航続距離となっています。

充電は『semi』専用の充電器を用いることにより、30分で最大約650kmの走行が可能です。

運転席は車体中央に配置されていて、左右2か所にタッチパネルディスプレイを配置し、道路や車体の状況、エアコンやワイパーの操作を行えます。

テスラの特徴でもあるオートパイロット (自動運転) は現段階では対応していますが、完全自動運転までは数年かかる見通しです。

価格は正式発表はされていませんが、2017年の段階では15万ドル (約2,000万円) から18万ドル (2,400万円) で発売されるとのアナウンスがありましたが、2022年の正式納車の時点では非公表となっています。

ちなみに日本への導入は現時点では、未定となっています。

テスラ電動大型トラック『semi』初納車

出典：TESLA 公式から引用

2017年にテスラのCEOイーロン・マスクより『semi』の正式発表があってから、およそ5年の歳月で納車が開始されました。

第1号車は12月1日に納車式が行われ、納入先は大手飲料メーカー「ペプシコ」でした。

ほかにもウォルマート、UPSなどの大手企業のオーダーを抱えているので、当面はバックオーダー分の製造に追われることでしょう。

テスラの発表では2024年までに、年間5万台まで拡充する見込みとなっています。

 

まとめ

出典：TESLA 公式から引用

今回のテスラ『SEMI』の納車は、乗用車タイプがほとんどの電気自動車の世界に一石を投じたことは間違いないでしょう。

電気自動車は内燃機関の自動車とは異なり、ファンベルトやオルタネーターなどの交換部品がないことやオイルやアドブルーなどの消耗品も必要ないので、維持費は大幅に削減できます。

排出ガスがないため、住民の健康被害を改善することできるのも大きなメリットです。

また、待機時にエアコンをフル稼働しても消費電力は、移動にかかるエネルギーに比べるとはるかに少ないので、24時間待機しても数%の消費にとどまるでしょう。

しかし、充電スポットの少なさや日々劣化していくバッテリー問題は、現在の課題で早急に対応が望まれる点であります。

今後は、すべての自動車が電気自動車に代わる予定なので、電気自動車の運用をシミュレーションしておくのが、物流業界においても優位性が築けるのではないでしょうか。

日本国内の小型電動トラックの記事はコチラで解説しているので、併せてご覧いただければ幸いです。