トラックドライバーの不足や2024年問題で話題になっている物流業界。

そこで、よく耳にする言葉の『物流』『運送』ですが何が違うのでしょうか？

また似た言葉で『運輸』や『配送』などという言葉もありますが、今回は意味の違いを徹底解説します。

『物流』と『運送』は何が違う？

物流と運送は同じような意味合いでとらえがちなのですが、意味合いに違いがあります。

それぞれの違いを解説していきます。

物流とは？

物流とは企業が生産、販売する商品の流れの全般を指すことです。

業務の内訳は、輸送、荷役、保管、包装、流通加工の5つの機能を一括管理できる企業がほとんどです。

具体的には、生産者から倉庫への商品の搬入や輸送、在庫の管理と加工や梱包、配送センターや小売店までの出荷及び消費者までの配送を行います。

大手だと陸・海・空のすべてに対応できる日本通運やクロネコヤマトでおなじみのヤマトHDが物流企業に該当します。

ちなみに英語ではLogistics (ロジスティクス) といいますが、物流とロジスティクスは分けて考えられています。

ロジスティクスは輸送から流通加工までの5つの機能にプラスして、商品の情報の流れの情報管理や商品の回収業務を一連の業務を含めた企業がほとんどです。

運送とは？

運送とは物流業務の中におけるモノを運ぶことに特化したサービスのことを指し、おもにトラックなどの自動車を用いて運ぶことを指します。

ちなみに航空機や船舶を用いたモノの移動は、運送ではなく『輸送』に該当します。

運送業務は、工場や倉庫から注文を受けた荷物を出荷し、指定先まで運ぶまでの業務です。

日本ではトラックによる輸送がメインとなっており、物流の根幹といえるでしょう。

現在、物流業界で深刻な問題となっているのが運送業で、ネット通販などのEC業界の拡販により仕事量が増えたため、人手不足が続いています。

運輸、配送、運搬の違いとは？

他にも似た意味合いの言葉で輸送、運搬、配送などの言葉があります。

それぞれの違いを解説していきます。

運輸とは？

運輸とは一度に大量にモノを運ぶことで、航空機や船舶、貨物列車を用いたモノの移動を指します。

車や列車で運ぶ場合は陸送、航空機で運ぶ場合は空送、船舶で運ぶ場合は船送と、手段により呼び方が異なります

人を運ぶことも運送と呼ばれることもありますが、運輸という言葉を使うのが一般的です。

また、同じ意味合いをもつ言葉に輸送という言葉もあります。

配送とは？

配送とは物流センターや小売店を経由して、直接消費者までモノを運ぶサービスを指します。

運送や運輸などとの違いは、複数箇所に物を送り届けるという目的です。

代表的なのは、クロネコヤマトの宅急便でお馴染みのヤマトHDや飛脚宅配便を取り扱う佐川急便 (SGホールディングス) などがあげられます。

近年ではAmazonや楽天はもちろん、各企業もECサイトを立ち上げて個人向けの配送需要が飛躍的に伸びてきました。

個人向けに直接商品が届くので一番なじみの深いサービスといえるでしょう。

運搬とは？

運搬とは一度に大量の荷物を運ぶことに関しては運輸と同じですが、目的地まで運ぶ意味は含みません。

どちらかといえばモノを移動させる要素が強く、倉庫内でのモノの移動や一時的にモノを運ぶときに使われることが多いでしょう。

まとめ

この記事では物流と運送の違いや運輸、配送、運搬の類似語の違いについて解説しました。

『物流』は一般的にモノを管理することから運ぶこと全般の業務にあたり、そのなかに航空機、船舶、列車を使用し、モノを運ぶ『輸送＝運輸 』があります。

『運送』はおもにトラックを使用し、依頼主から注文先までモノを運ぶことです。

また配送は小売店や消費者に直接モノを運ぶ業務で、最終的なモノの流れは配送で完結します。

イメージとしては物流＞輸送＝運輸＞運送＞配送＞消費者と覚えてもらえばわかりやすいと思います。

言葉の意味を理解することにより使い分けも容易に行えるでしょう。

現在は『運送』の人手が圧倒的に足りない現状となっており、今後もしばらく続く見込みです。